デザインオリエンテッドな生き方は、 生活を楽しく心豊かにする
“かたちはこころ”は、岩倉信弥のデザインにまつわる経験と考えをつづるウェブサイトです
岩倉 信弥 / Shinya Iwakura
多摩美術大学名誉教授、経営学博士(立命館大学)、本田技研工業株式会社社友、デザイン道場「楽塾」主宰。
デザイン道場 楽塾
デザイン力を共に育む。デザインを志す若者が、ものつくりの楽しさや喜びを知り、感覚を研ぎ心を磨きながら、関連する知識や教養を身につけるための場として設立されました。
メッセージ
企業内デザイナーとして35年間、クルマづくり一筋に。30歳の頃、外装デザイン担当責任者(チーフデザイナー)として初代シビックの開発に、40歳の頃、企画・デザイン担当責任者(ディレクター)として2代目プレリュード、50代に入って、商品担当役員(プロヂューサー)として初代オデッセイの開発に携わる。
デザイナーにはいろんな活躍の場がある。わたしは恵まれて、一外観デザイナーから経営的立場まで幅広いデザイン活動に関わってきた。自動車は周知の通り20世紀が創り出した素晴らしい「モノ」、高価だが誰もが欲しいと思う「モノ」であり、それだけの魅力を備えている。デザイナーから見れば、外観のデザインは言うに及ばず、空間のレイアウトや、椅子・テーブルなど家具に相当する室内デザイン、空調やファニチャーデザイン。
それに表皮や種々のマテリアル、さらにはオーディオやインディケーターのデザインと、まるで動く応接間である。最近は動くリビングという感もあり、デザインにとって大変面白い素材ではある。が今や、環境や安全それにエネルギー問題を考えないクルマは生きてゆけない。
と言うわけで、自動車づくりに関わってきたおかげで幅広いデザイン感覚が養われたと思っている。21世紀の自動車の役割は、移動手段という「モノ」から、家族みんなで楽しむとか恋人とデイトとか、そのような「こと」に大きく変わってきている。これは自動車に限らず全ての「モノづくり」に共通する課題であろう。そして、これまで50年あまりのデザイン活動で培ってきたわたしの信条は、一言でいうと、「かたちはこころ」という言葉になる。
21世紀に入り、教育の現場で、企業での経験を若い学生たちに伝える難しさ体験し、また博士号取得に当たっては、私なりのデザイン・マネジメント論を打ち立てることの難しさも味わった。同時に、生活者の一人として、自分自身をデザインし、家内と共に家庭をデザインし、そしてまた子供たちとともに地域との交流を深める中で、ひょっとして、いや間違いなく、私は家内にデザインされているのではないかと思うようになった。
90年代初頭、日本のバブル経済崩壊で、「モノからことへ」と言われるようになって約半世紀、「こと」の時代は定着しつつある。こうしたなか私は、これまでの経験から得たデザインに関する知恵をみなさんにお伝えし、共有し、一緒に新しい時代のデザインを考えたいと思っている。デザイン的(デザイン・オリエンテッド)な生き方が、いかに生活を心豊かに、楽しいものにするのかを、みなさんにお伝えできればと思いこのホームページを作った。
お問い合わせ
contact@shinyaiwakura.com